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店舗の造作譲渡金とは?概要や相場メリットデメリットも解説

不動産の豆知識

中山 和樹

筆者 中山 和樹

不動産キャリア11年

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店舗を貸借される際、「造作譲渡金」という言葉を耳にされたことはありませんか。造作譲渡金は、店舗内の内装や設備などを現在の使用者から譲り受ける際に発生する費用です。しかし、具体的な内容や相場、実際のメリット・デメリットについては、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、造作譲渡金の基本的な仕組みから、相場や価格が決まる要因、注意すべき点までを分かりやすく解説します。物件選びで失敗しないための知識を、ぜひご活用ください。

造作譲渡金とは何か 基本的な概要と意義

造作譲渡金とは、店舗に備え付けられた内装や厨房設備、空調や什器など、建物本体以外の造作物一式を次の借主に譲り渡す際の対価を指します。いわゆる居抜き物件で受け継がれる設備群に対し支払われる金銭で、店舗を閉店する際の原状回復工事費を抑えつつ収益化を図る手段として利用される重要な制度です。

具体的には、壁・床・天井などの内装、ガスコンロ・冷蔵庫・シンクなどの厨房設備、空調・照明・排気設備や備品・家具、通信機器などが譲渡対象となることが多いです。リース品や故障品は対象外となる場合や、別途確認が必要なケースもあるため、譲渡範囲は契約で明確にしておくことが重要です。

この仕組みは、閉店時にかかる原状回復費用を削減し、迅速な引き渡しを可能にするといった利点がある一方、貸主の承諾が必要であること、譲渡対象の認識違いによるトラブルのリスクがあることに注意が必要です。双方が合意できるよう、譲渡対象や状態を明確にした契約を結び、円滑な取引を目指すことが望ましいです。

項目内容注意点
対象となる造作物内装・厨房設備・什器など一式リース品や故障品は含まれない可能性あり
意義原状回復費用削減・迅速な引き渡し貸主の事前承諾が必要
契約における注意譲渡範囲や状態を明記した契約書認識違いがトラブルの原因に

相場の目安と価格決定の要因

造作譲渡金の相場は、店舗の業種や立地、設備の規模や状態によって大きく変わります。例えば、東京都心部では100万円から300万円程度が一般的な目安とされ、重飲食業態(中華料理店や焼肉店など)では200万円から300万円前後、なかには300万円を超えることもあります。軽飲食(カフェやテイクアウト専門店など)は設備が簡素なため、100万円から200万円程度のことが多く見られます。

さらに、精緻なデータでは、東京都23区内では中華・焼肉など重飲食が平均約325万円、洋食約294万円、鉄板焼きや専門料理では266万円ほどとなり、テイクアウトが182万円、スナックやパブ系が169万円と、業態による差が明確に出ています 。

価格を左右する主な要因としては、以下のようなものがあります:

主な要因詳細
立地駅近や人通りの多い繁華街などでは上振れしやすい
設備の状態・規模厨房や空調設備が新しく清潔で、重飲食対応のインフラが整っているほど評価が高い
賃貸条件・承諾家賃や保証金が相場より安く契約引き継ぎしやすい、貸主の承諾が得やすい物件は価格上昇要因

特に都心一等立地では、立地と設備の優位性が相まって300万円台の設定も珍しくありません。一方、郊外や住宅地など競争が激しくないエリアでは相対的に低い相場となる傾向があります。

また、造作譲渡金の交渉においては「原状回復が迫ったタイミング」が重要です。明け渡し日が近づくと解体や撤去コストを避けたい売り手の事情もあり、値引き交渉が成功しやすくなります。さらに、設備の劣化や不具合は交渉材料となり、譲渡価格を下げる理由として有効です 。

造作譲渡金のメリットを享受するポイント

造作譲渡には、事業用不動産をお探しの方にとって嬉しい効果が数多くあります。特に下記の三点は、開業前の悩みをしっかり軽減させてくれます。

ポイント 内容
閉店時の原状回復コスト削減 造作譲渡を利用すれば、撤去やスケルトン工事が不要となり、原状回復にかかる費用の負担を大きく抑えられます。
開業準備の迅速化・初期投資軽減 内装や什器・設備をそのまま引き継げるため、一から揃える必要がなく、初期費用や準備時間が大幅に削減できます。
環境的・効率的な再利用 使用可能な内装や設備を無駄に廃棄せず、次のお店で活かすことにより、環境負荷を軽減し、無駄のない効率的な運営が可能になります。

たとえば、閉店時の原状回復に関しては、通常スケルトン工事が必要で坪単価で数万円かかる場合がありますが、造作譲渡を活用すればそのコストを回避できますし、売却益が発生するケースもあります(原状回復不要・売却による収益化)。

また、開業準備の迅速化についても、設備や什器などが既に整っていることで、内装工事や購入の手間が省け、スピーディーに営業開始できる点も大きな魅力です(初期費用の軽減・開店準備の短縮)。

さらに、廃材や設備を廃棄せずに引き継ぐという環境配慮の側面も見逃せません。無駄を出さず、使えるものは次に活かすことは、結果として効率的な管理につながります(内装や設備を廃棄せずに済む点)。

造作譲渡金のデメリットと注意すべき点

造作譲渡金付き物件をご検討の方には、メリットだけでなく慎重に押さえておくべきデメリットや注意点があります。以下に主な3点をリズミカルに整理しました。

注意点 内容
貸主の承諾が必要 借主には原状回復義務があるため、貸主から造作譲渡の承認を得なければ取引が成立しません。承諾が遅れたり得られないケースもあるため、早めに相談したほうが安心です。
譲渡範囲の誤認リスク 譲渡されるのがリース品や故障設備だった場合、「所有権」や「修理責任」などの認識ずれからトラブルが生じやすいです。事前の確認と明文化が欠かせません。
原状回復義務と処理費用 譲渡後に不要設備の処分や原状回復義務が発生するケースがあります。その負担が想定以上になることがあるため、契約や撤去費用も見据えて進めましょう。

それぞれの内容を具体的に見ていきましょう。

まず、「貸主の承諾が必要」という点です。借りている物件では通常、退去時にスケルトン状態への原状回復義務があります。そのため、造作譲渡を行うには貸主の書面による承認が不可欠です。このやりとりに時間がかかる場合もあり、承諾が得られなければ取引は成立しませんので、早めの対応が肝心です。

次に、「譲渡範囲の誤認リスク」についてです。リース品や動作不良の設備が含まれていると、譲渡後にリース料の支払い続行や修理費用の負担など、思わぬトラブルに発展することがあります。譲渡対象の設備の所有者や状態を明確にした上で、リスト化して契約書に添付するなど、認識のずれをなくす工夫が大切です。

最後に、「原状回復義務と処理費用」についてです。不要な設備の撤去や原状回復義務が残るケースでは、思った以上の費用負担になることがあります。また、譲受側が将来退去する際に、前借主の原状回復義務を引き継ぐ場合もあるため、この点も契約時にきちんと確認しておく必要があります。

以上の点を丁寧に押さえることで、造作譲渡付き物件の魅力を活かしつつ、後から起こるかもしれない負担を軽減できます。後々のトラブルを防ぎたい方は、契約内容をしっかり固めて、安心して進めてください。

まとめ

造作譲渡金は、店舗の内装や設備などの価値を新たな利用者へ引き継ぐ取引であり、開業費用の軽減や閉店時のコスト削減といった多くの利点があります。一方で、契約上の承諾や内容確認が必要であり、取引後の管理にも慎重さが求められます。基本的な仕組みや相場を正しく理解し、メリットとデメリットを把握することで、納得のいく選択につながります。造作譲渡を検討する際は、事前の準備と情報収集が大切です。

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