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店舗の動力契約はどう選ぶ方法がある?開業前に必要な手順も解説

不動産の豆知識

中山 和樹

筆者 中山 和樹

不動産キャリア11年

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これから新しく店舗を開業する際、多くの方が「動力契約」という言葉に戸惑われるのではないでしょうか。業務用の空調や冷蔵設備など、本格的な機器を導入する場合には、家庭の電灯契約とは異なる「動力契約」が必要になることがあります。この記事では、動力契約の基本から店舗における必要性、メリットと注意点、契約電力の選び方、さらには実際の契約準備や進め方まで、店舗開業を目指す方にもわかりやすく解説します。疑問や不安を解消し、効率的な店舗運営を始めるための知識を身につけていきましょう。

動力契約とは何かと店舗での必要性

動力契約とは、業務用の機器向けに設けられた「低圧電力」の一種で、一般家庭向けの契約とは異なる供給方式が用いられます。具体的には、三相二百ボルトの電圧で供給されるため、店舗で使用するエアコンや冷蔵・厨房機器など、電力消費が大きい業務用設備に適しています。単相百ボルトまたは単相二百ボルトで供給される家庭向けの「電灯契約」と比較すると、供給電圧や配線方式が異なる点が特徴です 。

家庭向けの「電灯契約」では、基本料金が比較的安く設定されており、使用電力量に応じて段階的に電力量料金が上がる体系です。一方、動力契約である「低圧電力(動力プラン)」では、基本料金が高く設定されている反面、電力量料金の単価は低めに設定されており、使用量が多い場合には電気代全体が安くなる傾向があります 。

店舗で開業を予定しており、業務用エアコンや冷蔵・厨房機器など高負荷設備を導入する場合、動力契約が必要となるケースがあります。これらの機器は一般家庭向けの電灯契約では十分な電力供給が得られない場合があるため、電圧や電流供給の安定性を考慮して、開業時に適切な契約を選ぶことが重要です 。

契約種類 供給電圧 主な用途
電灯契約(従量電灯) 単相100V または 単相200V 家庭用・小規模店舗の照明や家電
動力契約(低圧電力) 三相200V エアコン・冷蔵機器など業務用機器

動力契約のメリット・注意点(シミュレーション視点で)

店舗開業を検討されている方にとって、動力契約を選ぶ際のメリットと注意点をきちんと理解することは、大切なポイントです。ここでは料金構造に注目してわかりやすく整理いたします。

まず、動力契約(低圧電力)は使用電力量が多い場合、従量電灯契約に比べて電力量料金がお得になることがあります。電力量料金単価が低く抑えられているケースがあるため、業務用機器を長時間使う店舗では、全体としての電気料金が節約できる可能性があります。たとえば関西電力の低圧電力プランでは、電力量料金が他に比べて低率である場合があります 。

一方で注意したいのが、基本料金が高めに設定されている点です。動力契約は契約電力に応じて基本料金が決まり、契約電力が高ければ毎月の固定費も高くなります。そのため、使用電力量が少ない場合には、かえって割高になる可能性がある点にご留意ください 。

さらに料金構造を正しく理解することで、より適切な選択ができます。動力契約の電気料金は以下のような要素で構成されています。

料金項目説明
基本料金 契約電力×基本料金単価に、力率による割引・割増が適用されます(例:力率85%超で割引、下回ると割増)。
電力量料金 使用した電力量(kWh)に応じて単価がかかります。季節(夏季・その他季)で単価が変わる場合があります 。
その他加減算額 燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金などが加わります。燃料価格の変動に応じた調整や、再エネ賦課金(例:2025年5月以降は3.98円/kWh)が含まれます 。

以上の構成から、料金がどのように決まるかをシミュレーションで確認すると、使用状況に応じた契約方法を判断しやすくなります。ご自身の店舗に導入予定の機器や稼働時間に基づいて試算すると効果的です。

契約電力の決め方と選び方のポイント

新しく店舗を開業される方にとって、動力契約の契約電力を適切に選ぶことは、無駄な基本料金を防ぎ、効率的な電力利用に繋がります。ここでは、代表的な2種類の契約方式をご説明します。

まず「主開閉器契約」とは、主開閉器(メインブレーカー)の定格電流値に基づいて契約電力を決める方式です。複数の機器を同時に使わないケースや、日によって使用機器が変わるような状況では、この契約方法によって契約電力を抑え、基本料金を低くできる可能性があります 。

一方、「負荷設備契約」は、使用する業務用機器それぞれの容量(入力)を合計し、一定の係数をかけて契約電力を算定する方式です。店舗の冷蔵庫やエアコンなどを常時フル稼働させる場合など、24時間近く継続運転が見込まれる店舗ではこちらの方式が適しています 。

以下の表は、それぞれの契約方式を選ぶ目安です。

契約方式適した店舗の特徴契約電力の決定基準
主開閉器契約複数の機器があるが、同時使用が少ない店舗メインブレーカーの定格電流
負荷設備契約設備を常時フル稼働させるような店舗電力機器の総入力容量(一定の係数適用)

店舗開業を計画する際は、ご自身の設備の稼働パターンをまず想定してください。そして、どの程度の電力使用があるか、同時稼働の有無などを踏まえて、主開閉器契約か負荷設備契約かを選ぶことが重要です。これにより、無駄な基本料金を抑え、効率的かつ経済的な電力契約が可能になります。

契約にあたっての準備と導入プロセス(店舗開業者向け)

店舗を開業する際に三相200Vの動力契約を導入するには、いくつかの事前準備とステップを踏む必要があります。

まず、導入予定の業務用機器(たとえば業務用エアコン、冷蔵庫、製氷機など)の消費電力を把握することが不可欠です。三相200V対応機器は通常、大容量の電力を必要とするため、導入予定機器ごとに定格消費電力(kW)をチェックし、合計することが最初のステップです。この総計に基づいて、必要な契約電力を想定することができます(例:合計消費電力が10kWなら、10kW前後の契約を想定)。

また、施設側に三相200Vの配線がされていない場合、専門の電気工事士による専用配線の施工が必要になります。これは分電盤の改修や専用回路の設置を含むため、信頼できる電気工事業者に相談することをおすすめします 。

次に、電力会社の選定にあたっては、大手電力会社による「低圧電力(動力プラン)」と、新電力の動力プランとの比較検討が重要です。大手の場合、安定性や対応エリアの広さが魅力ですが、基本料金は比較的高めです。一方、新電力のプランでは、基本料金が大手よりもかなり抑えられることが多く、コストを重視する場合には有力な選択肢となります 。

導入前には、具体的な料金構造を把握するために、複数の電力会社に見積もりや料金シミュレーションを依頼することが大切です。これにより、基本料金、電力量料金、燃料費調整額、再生可能エネルギー賦課金などを含めた総合的な費用を比較でき、無駄のない契約内容を選ぶことができます 。

以下に、契約準備とプロセスのポイントをまとめた表を示します。

準備項目内容
消費電力の把握導入予定機器の定格消費電力を一覧化し、契約電力を算出する
電気工事の手配三相200V配線が必要なら、専門業者に工事を依頼する
電力会社の比較大手電力と新電力の動力プランを料金・条件で比較する
見積もり・シミュレーション依頼複数社から料金構成の見積もりを取り、最適な契約を選ぶ

このように、機器の消費電力確認~電気工事~電力会社選定~見積もり取得という順序で進めることで、開業にあたって無駄のない動力契約をスムーズに導入することが可能になります。

まとめ

店舗の開業をお考えの方にとって、動力契約の仕組みや選び方を事前に理解することは、スムーズな店舗運営に繋がります。業務用機器の導入には通常の電灯契約ではまかなえない電力が必要となるため、動力契約が重要な役割を果たします。料金の仕組みや契約方法にも違いがあるため、ご自身の店舗の設備や運用方法に合わせて最適な契約内容を選ぶことが無駄なく安心に利用するためのポイントです。準備と計画をしっかり進めることで、店舗開業後のトラブル防止にも繋がりますので、事前の確認と見積もり依頼をしっかりと行いましょう。

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