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店舗で必要な電気容量の計算方法は?確認手順や目安も解説

不動産の豆知識

中山 和樹

筆者 中山 和樹

不動産キャリア11年

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店舗の開業を考えている皆さま、電気の容量についてどれほど意識されていますか。厨房機器や空調設備、照明など、多くの電気機器を使う店舗では「電気容量」の計算や確保が不可欠です。もし事前に正しい容量を把握していなければ、開業後に思わぬトラブルが発生することもあります。本記事では、店舗の電気容量の基本から計算方法、契約方式、事前チェックまで、分かりやすく解説いたします。安心して開業準備が進められるよう、一緒に学んでいきましょう。

電気容量の基本を理解しよう(店舗開業における重要性と基本の計算式)

店舗を開業する際に「電気容量」とは、施設が一度に安全に使用できる電力の最大限度を示すものです。容量を超えて使用するとブレーカーが作動し、停電が起こる可能性があります。そのため、店舗運営の安定性・安全性を確保するために、適切な電気容量を理解し、契約することは大変重要です 。

電気の三大基本要素である「電力(ワット/W)」「電流(アンペア/A)」「電圧(ボルト/V)」の関係は下記のようになります。特に単相の場合は「電流(A)=電力(W)÷電圧(V)」で求められます。一方、三相交流を用いる場合には、おおむね「皮相電力(VA)=√3×電圧(V)×電流(A)」の関係を用い、キロボルトアンペア(kVA)に換算します 。

また、店舗などで契約する方式として「単相」と「三相」の違いがあります。単相は小規模店舗や家庭向け、三相は業務用エアコンや厨房機器など高出力機器のある中~大型店舗向けです。さらに、契約方式には「主開閉器契約」と「負荷設備契約」があり、それぞれ電気使用の実態に応じて選択します。主開閉器契約は主幹ブレーカーの定格電流に基づき契約容量を決める方式で、同時使用が少ない店舗に適しています。負荷設備契約は使用予定の機器容量を入力に、所定の係数をかけて契約容量を算定します 。

以下に、単相・三相、契約方式ごとの概要をまとめた表を示します。

項目概要店舗での意義
単相家庭向け、電流=電力÷電圧小規模店舗の基本契約。
三相高出力機器向け、皮相電力=√3×V×A厨房機器や業務用空調に必要。
契約方式主開閉器契約/負荷設備契約機器の使用傾向に合わせて経済的な選択。

必要な電気容量の計算方法(具体的なステップで理解)

店舗を開業する際には、電気トラブルを避け、安定的な運営を実現するために必要な電気容量をしっかり把握することが大切です。以下のステップで、誰でも分かりやすく計算できます。

まずはステップ1:使用する電気機器の消費電力(ワット)を一つずつ把握し、その合計を求めます。たとえば照明、エアコン、収納冷蔵庫、レジスターなどを含めます。合計消費電力を出すことで、最低限必要な容量の目安をつかめます。

次にステップ2:将来の機器追加や予期せぬ負荷増に備えて、合計値に10〜20%の余裕を持たせます。これにより、ピーク時にもブレーカーが落ちにくくなり、安全性と安定性が向上します。

最後にステップ3:単相100ボルト、単相200ボルトの場合に必要なアンペア数を計算しましょう。計算式は以下の通りです:

電圧 計算式 例(余裕込みの消費電力:5,500W)
単相100ボルト アンペア数(A)=消費電力(W)÷100V 5,500 ÷ 100 = 55A
単相200ボルト アンペア数(A)=消費電力(W)÷200V 5,500 ÷ 200 = 27.5A

例えば、使用機器の合計消費電力が仮に5,000ワットとし、そこに15%の余裕を加えると5,750ワットとなります。この場合、単相100ボルトでは約57.5アンペアが必要となり、単相200ボルトでは約28.75アンペアが目安となります。

これらの計算は、店舗で使用する電気機器が同時に稼働した場合の最大値を想定しています。実際の契約アンペア数の決定には、最終的に電力会社や専門の電気工事業者と相談されることを強くおすすめします。正確さと将来の快適な店舗運営のためにも、このステップでしっかりとした基盤を作っておきましょう。

契約容量の決定方式を選ぼう(主開閉器契約/負荷設備契約)

店舗の電気料金負担や安全性を踏まえて、契約容量の決定方式は大切なポイントです。以下に2つの方式をご紹介いたします。

契約方式 特徴 適した店舗の形態
主開閉器契約 メインブレーカー(定格電流)によって契約容量を決定します。複数機器を同時に使用しない店舗に向いています。 営業時間中に使用機器が分散している店舗、厨房や冷蔵庫等の同時使用が少ない場合
負荷設備契約 使用機器(契約負荷設備)の容量の合計に係数を乗じて契約容量を算出します。機器を連続使用する店舗向きです。 24時間営業店舗、厨房機器やモーターなどを常時複数台稼働させる店舗

以下に、それぞれの契約方式の計算方法と選び方をご説明いたします。

1.主開閉器契約の特徴と計算方法
これは、契約主開閉器(メインブレーカー)の定格電流(アンペア)と電圧(ボルト)を用いて容量を算出する方式です。たとえば、定格電流が75A・電圧が200Vの場合、契約容量(kVA)は以下のようになります:

75(A)×200(V)÷1,000=15(kVA)

また三相(動力)の場合、√3(約1.732)を乗じて契約電力(kW)を求めます。たとえば50A・200Vの場合:

50×200×1.732÷1,000≒17.32(kW)

この方式は、必要容量を抑えやすく、基本料金の節約につながる場合があります。

2.負荷設備契約の特徴と計算ステップ
こちらは使用する電気機器の合計容量に応じて契約容量を算定する方式で、連続使用や長時間稼働が多い業種に適しています。計算は以下の順で進めます。

  • ① 入力換算:機器の出力値を入力容量に換算(例:モーター125%、ヒーター100%など)
  • ② 台数圧縮:複数の機器に対して係数を乗じる(例:最初の2台100%、次の2台95%など)
  • ③ 容量圧縮:台数圧縮後の合計にさらに係数を適用(例:6kWまで100%、次の14kWは90%、など)

たとえば合計入力が21.475kWの場合、容量圧縮を経て約20kWに算出されます。

3.店舗の使用形態から契約方式を判断するポイント
以下の点を基に、適した契約方式を検討しましょう:

  • 機器の同時使用が少ないなら「主開閉器契約」で基本料金を抑える可能性があります。
  • 厨房設備や大量照明など、機器を常に使うなら「負荷設備契約」が安全性や安定性の面で安心です。
  • 将来の設備追加や拡張も見据え、どちらの方式が費用対効果に優れているか比較検討が重要です。

電力使用状況は店舗ごとに異なるため、最終的には専門の電気工事業者や電力会社とご相談のうえ、最適な契約方式を選択ください。

開業前に確認すべきポイント(契約前の事前チェック)

新しく店舗を開業される際には、電気契約に関する事前の確認がとても大切です。まず、内見の際には分電盤や主幹ブレーカー(契約アンペアブレーカー)をしっかりご確認ください。分電盤内部に記載された契約アンペア数や色分け表示によって、契約容量の把握が可能です。たとえば東京電力では、30Aは緑、50Aは茶といった色で判別できる場合があります 。

次に、過去の検針票や請求書から、現在の契約容量を確認する方法も効果的です。請求書に「契約アンペア数」「契約容量」「契約電力」といった項目が記載されていることが多く、そこから現在の契約状況を把握できます 。

さらに、図面や設計段階から電気設備について専門業者と確認しておくこともおすすめです。将来的な機器の増設や使用状況の変化に応じて、最適な契約方式や容量を選定できるよう、専門業者による回路確認や容量設計が重要となります 。

確認ポイント内容目的
分電盤・ブレーカー表示契約アンペア数の確認現在の契約容量を把握する
検針票・請求書契約容量・契約電力の記載確認契約状況を正確に把握する
専門業者との設計確認電気設備の状況を把握/将来計画を考慮安心して開業できる環境整備

これらの確認を通じて、ブレーカーの容量不足によるトラブルや、過剰契約による無駄なコストを防ぐことができます。安心して事業をスタートできるよう、電気契約の事前チェックを念入りに行いましょう。

まとめ

店舗を新しく開業する際には、電気容量の正しい計算と契約方式の選定が非常に重要です。使用予定の機器ごとに消費電力を把握し、必要な容量を具体的に計算することで、安心して店舗運営を始められます。また、計算時には余裕を持たせた容量設定を心掛け、契約容量も開業形態や用途に応じて選ぶことが大切です。事前にブレーカーや過去の契約内容を確認し、専門業者と細かく打ち合わせを行うことで、無駄やトラブルを防ぎ、開業後の安心につなげましょう。

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